夏の熱中症対策やスポーツ後のクールダウンに便利な「冷却スプレー」。しかし、使い方を誤ると重大な事故につながることがあります。実際に起きた事故事例や、使用時の注意点を解説します。
冷却スプレーとは?
冷却スプレーは、揮発性の高い成分(主にLPGやDMEなど)を含み、噴射時に気化熱で皮膚や空気を一時的に冷やします。
製品によっては‐30℃近くまで冷えることもあり、便利な反面「使い方次第で危険」でもあります。
実際に起きた事故事例
【事例①】衣類にスプレー→引火してやけど
スポーツ中、男性がTシャツの上から冷却スプレーを多量に使用。しばらくしてからタバコに火をつけたところ、衣類に残ったガス成分に引火し、全身に大やけどを負いました。
→ ポイント:可燃性ガスが衣類に残ることがあります。
【事例②】肌に直接噴射→凍傷に
学生がふざけて友人の腕に長時間冷却スプレーを噴射。皮膚が白くなり、しばらくして水ぶくれができてしまいました。診察の結果、「軽度の凍傷」と診断されました。
→ ポイント:冷却スプレーは長時間1点に噴射すると凍傷になります。
【事例③】密閉空間で使用→爆発
狭いロッカールームで冷却スプレーを複数本使用。その後、スイッチを入れた際に電気スパークが起こり、引火・小規模な爆発が発生。複数人が軽傷を負いました。
→ ポイント:可燃性ガスの充満による火災・爆発リスクがあります。
冷却スプレー使用時の注意点
- 火気厳禁!
→ スプレー後すぐの喫煙・火の使用は絶対NG。 - 肌に直接長時間噴射しない
→ 凍傷になる恐れがあるため、1~3秒程度が目安。 - 風通しの良い場所で使用
→ 密閉空間ではガスが滞留し、火災や爆発のリスクが高まります。 - 衣類にかけた後はしばらく乾かす
→ ガスが残っているうちは引火しやすい状態です。 - 子ども同士での使用は避ける
→ いたずらやふざけによる事故が多発しています。
まとめ
冷却スプレーは便利な反面、使い方を間違えると命に関わる事故を引き起こすこともあります。
特に夏場やスポーツ現場ではつい軽視しがちですが、「スプレーは可燃性」という意識を忘れず、正しい使用法を守って事故を未然に防ぎましょう。